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モリオのトランク [物語詩]

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モリオのトランク

 

モリオのトランクには

音符がぎっしりと詰まっている

♪ハミングがあふれてる

 

奏でる音を耳にすると

心が自然に動きだす

 

カチリカチャリ

モリオは大きなトランクを開けて

音符を並べる

アコーディオンの軽やかな音の階段

リコーダーのピューと鳴るかくれ穴の音階

オカリナのころんとした音色

今日はどんな音楽を奏でようか

 

太陽のまぶしい光も

月夜の静けさも

雨模様の冷たさも

森林さえずる鳥の喜びも

可愛い音楽

儚い音色

うるおう音楽で表現できるのだ

 

―あっ、来た。

ーモリオだ!

昔の紙芝居に集まるみたいに

 

モリオはトランクを開けて

♪音符を空へ羽ばたかせる

 

乾いた日々を

ぽわん

のどをうるおすように







※最近観た映画:ゴッホ 最期の手紙 


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デーデーポーポー [物語詩]

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デーデーポーポー

デーデー

ポーポーデー

 

だれと通信しているの

キジバト

 

のどの奥の

デーデーを

遠くまで飛ばして

 

天気のいい日は

明るいやりとり

 

朝のデーデーを

こっそり聞いて

 

きみとつながった

朝のはじまり







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※さえぐさひろこさんの、しりたいなどうぶつの赤ちゃんシリーズ絵本。読んでいると、目の前にサバンナが広がります。

※最近読んだ本:ホワイトラビット 新潮社 ・AX 角川書店 ともに伊坂幸太郎   ・もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 宝島社

※最近観た映画:静かなる情熱 エミリー・ディキンソン  

※最近見た美術展:有元利夫展 大山崎山荘美術館




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厳格な記憶 [物語詩]

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厳格な記憶

 

幼い頃

オルガンはシスターに習っていた

教会のある幼稚園だった

 

講堂で賛美歌を歌い

中庭の片隅で

うつむき加減な十字架の像が

堅い耳を傾けていた

 

オルガンの音は低く

うなるように鳴っていた

 

黒と白の制服のシスターたちは

頭から厳格さをまとい

黒白の鍵盤と同じ

整然と並ぶ正確さを

律儀に守ろうと努めていた

 

私はその厳格さに戸惑い

オルガンのレッスンをおこたり

とても上手に弾く子が

ほめられるのを横目で見ていた

 

やがてポツリポツリ

シスターたちは消え

ほかの幼稚園と変わらない

私服の先生に入れ替わっていった

 

園内で反乱があったと

大人になってから聞かされた

 

黒と白の鍵盤が並ぶ

シスターたちがぞろぞろと

廊下を渡って消えてゆく

 

厳格な記憶が

ひび割れた

古いフレスコ画のように

幼い想像の片隅で

消える寸前に残された








魔法のほうき.jpg望月通陽さん画.jpgタンゲくん.jpg










※最近読んだ本:つぼみ 宮下奈都 光文社 ・スコーレ№4 宮下奈都 光文社文庫 

・森のノート 酒井駒子 筑摩書房  

※先日、奈良の阿修羅くんに会いにいくと、猫のタンゲくんがいて、望月通陽さんデザインのお店を見つけたり。家に帰ると、魔法のほうきが送られてきてた。不思議な日。

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てのひら [物語詩]

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てのひら

 

小さい満月を

てのひらにのせる

黄色くてほんのり温かい

ぽうっ

と明かりを秘めている

 

夜の森を彷徨い

小径を照らし

野犬も寝床へ

遠くフクロウ鳴きホー

地面には光る石と

蛍光緑のキノコ群

月下美人は一夜

目を開き瞑る

 

夜が明けはじめ

満月は少しずつやせ細るように

夜に沈み見えなくなった

 

やがて

すっかり

早朝の陽射し

 

温かいおひさまを

手のひらにのせる

 

空のてのひら





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※ゆきねこさんが、この詩とおんなじ!と見せてくれた光の玉。すごいね、ブルーやオレンジや、色々に変わる光のへんげ。 

※最近読んだ本:メアリと魔法の花 メアリー・スチュアート 角川文庫                    ※映画も見てきました。楽しかった。ジブリへのオマージュ的場面が沢山溢れてました。駿さんの純真さみたいなのは、表現するのは難しいですね。


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青い遠吠え [物語詩]

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青い遠吠え

 

青々と吠える

遠吠え狼のような

青色の切なさ

あおん

あおん

おおーん

 

遠吠えの悲しみは深く

水辺の底に沈み

青い湖水が生まれた

 

すくっても

すくっても

指からこぼれてしまう

清らかな野性

 

悲しみの果てを癒すのは

 

青い者同士

遠く渡り合う

青い遠吠え







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くまの名前 [物語詩]

 

くまの名前

 

しょっぱい海に住んでいた

しろくまに

ぼくは

しおくまと名付けた

ぼくにとって

はじめてのしろくまだったから

ほかのしろくまと

ちがいを付けたかったんだ

名前を呼ぶ

ともだちにぐっと近づく

 

「しおくま」

「なんだい」

「ちょっと呼びたかっただけ」

「わかるよ」

 

「くりくま」

「うん」

ぼくは栗色の毛皮で

りくに住むくりくり目だから

くりくまとしおくまは呼ぶ

 

ぼくたちは

名前が付いたときから

生きてるって気がした

 


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ふわん [物語詩]

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ふわん

焼きたての食パンに
バターをのせると
とろけてふわん
うさぎのかたちになった


うさぎバターはねて
ふわん
とんでいった

すぐにもどってきて
さっきより
白いウサギバターに
なっていた

みるみるうちに
ウサギバターは
パンにしみこみ
白い雲のかたち

食パンを
さっくりかじると
ふわん
朝がやわらかく
白ウサギ雲の気分

ふわり浮かんで







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犬は見ていた [物語詩]

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犬は見ていた

犬は見ていた
遠くに霞む蒼い山々の向こう
通りを渡らなくなった老猫
子供達が駆け足で子供を通り越す時

犬は真っ直ぐな目をして
誰よりも深く澄み切った
温かな結晶を
肉球の中に掴んで離さず
大いなる心で
まるい地球の大地を踏みしめ

犬はじっと見ている






※TVで辻井伸行くんと五嶋龍くんの演奏を聞いて、温かくて優しくて、一瞬で泣けてきました。

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メロンソーダの泡 [物語詩]

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メロンソーダの泡

ドーナツ店に行くと
決まってメロンソーダを注文
懐かしい味まぶしい色
はじけるまばたき

シュワシュワッと
メロン色したさわやかは
子供の頃からの
わくわく感そのまま

泡の中に
シュワシュワひきこまれ
透明グリーンの水中に
とぷん!
とひたされ泳ぎ出す

水平線を眺めるため
顔を出して浮かぶと
カランコロン鳴る
氷の透明がグラスのしずくと
冷たさを競い合い
コポコポ
透明のあぶくをはく
透きとおったさかながわらった

口の中でざわざわしぶきを上げ
さざめくさかなあぶくは
生まれ変わった新鮮な朝を連れてくる

さかなのかわりに
さわやかなあぶくの口になり
ストローでソーダを吸うと
ぱちぱちはじけて

目が覚めた
夏ソーダのシャワー





※ハート型のぶどう!みっけ。甘酸っぱい。                                           ※最近卵の黄身が双子で、ミルクセーキを作りました。おいし。                                                                ※みどりのひょうたんは、自然史博物館で。暑くて溶けそうだった。この詩を読んで、涼しくなってくれるといいな。                                                                  ※今日は土用の丑の日。うなぎふわっとおいしかった。




ひょうたん.jpgハート型のぶどう!.jpg
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月曜日の美術館 [物語詩]

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月曜日の美術館

月曜日の美術館は静かだ

絵画の中は
サーカステントの雑踏
アルルカンが魅惑の仕草
犬と子は小道を駆け回り
少女が憂鬱の頬杖をつく
額縁の中を彷徨い
切り取られた過去に揺れ
ざわざわ
心の底が波打ち際に立つ

ふと我に返ると
旅の終わりの出口
静寂の美術館に囲まれ
体温がなめらかになる

余韻を味わう近隣カフェ
“四匹の猫”でお茶

スカーフを巻いた黒猫が
いらっしゃいませと給仕に来た
思わず目をこすったが
まだ
絵画の旅は終わりそうにない





※月曜ピカソ展に行って描いた詩作。ピカソ初期の作品に惹かれました。                                                ※天王寺のデトロイト美術館展では、8月火水木(祝除く)は絵画が撮影可能!楽しかった。                                 ※ハルカス美術館のスターウォーズ展前にライトセーバー!ちびっこ戦うの?!


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