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満月にはまだ早い [物語詩]

sorakumo.jpg



満月にはまだ早い

三日月草の
光りの命が芽吹き
ナァァオゥー鳴く
世猫(夜猫)を
黙らせるくらい神々しい

風車草もしんと静まり
銀の夜のとばりから
光の糸を地に通す
三日月の淡いまなざし












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古風な魔法 [物語詩]

地中海村.jpg
古風な魔法

古風なあばら屋が
夜になると
時代を遡ってきた洋館
魅惑のお屋敷に見えるのは
どういう訳だろう

ランプの灯の光と影が
幻想を生み
下弦の月がいっそう
不思議な世界へ
引き寄せたのかも知れない

洋館扉の鉄ノックをコンコン鳴らす
(よく見るとライオン頭の装飾品)
ギィーッとお屋敷にふさわしい
錆びた音がして…

扉を開ける主は
ライオン紳士や山羊執事
であって欲しいと願う

真夜中の神秘
古風な魔法の扉が開く







※数年前、芦屋にあった洋館も、鎌倉にあった鳩屋敷?も壊されてしまい、とても残念。ファンタジー小説の案や映画の撮影が出来そうだったな。
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しっぽ [物語詩]

馬.jpg
しっぽ

しっぽの長いひとが
歩いていたのでびっくりして
―しっぽ出てますよ
と言いにいった
しゅるん!としっぽは消え
―アリガトウ
と四つ足で走っていった
しっぽを消せば
分からなくなったのに
四つ足で走るから
ばれちゃったでしょう
たぬき

都会で見るたぬき
もうそんな季節
そろそろ演習の時期だけど
まだまだ修行が足りない
と言いながら
ぼくも時々しっぽを出すので
喫茶店で熱い珈琲にあっつ!と
舌の代わりにしっぽが出る)
先輩風を吹かせるにはまだ早い
しっぽが長すぎる
北野キツネ



写真乗馬のお馬さん。目が可愛いので、詩に関係なくのせました。や、もしかして…。
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単眼鏡の水平線 [物語詩]

三沢厚彦さんのクマ.jpg
単眼鏡の水平線

遠いところ
あらゆる景色の役割を
果たしてくれる単眼鏡
手のひらにすっぽり収まり
かつては小動物の望遠鏡

遠いあこがれを近くで眺めたり
さっと飛び立つ
羽根あるものたちも
じっくり観察(森林の精も!)
水平線からやってくる
海の帆船が進む帆も
真っ先に見つけられる

遠くを望む澄み切ったグラス
周りの光りを集結し
遠くへ行かずとも片目で
叶えてくれる望み

片目は現実を見据える地平線
もう片方の目は
夢を受け入れる水平線

大きな眼力となる








星の王子さまチョコ.jpg





※大好きな三沢厚彦さんの彫刻が、阪急百貨店のディスプレイに!そして、チョコレート展で星の王子さまのチョコ缶が!楽しい!                                                                     ※この日、科学の店が消えてしまう前に、最後の単眼鏡を購入。遠くなる科学の店は、いつまでも消えずに見えて…。
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舟を漕ぐ [物語詩]

夜の舟.jpg
舟を漕ぐ

いつまでも眠らずに
ゆらゆらはためいて
起きていた
うつらうつらするけれど
眠りたくないのだ
夜を十分染みこませ
空虚に取り込みたいのだ

瞼の扉がだんだん閉じて
ゆうらりゆうらり
時の波が揺らいでまねき
夜の国へと舟を漕ぐ

空虚に希望の音が
かすかにぽちゃんと鳴り

夢の夢へと漕ぎ出(いだ)す





プラネタリウム.jpg








※夜って眠るのがもったいなくて、いつまでも起きていたいけど、明日の現実がまっているんだよね。せめて夢の中で…。                                                      ※木皿さんのドラマ、富士ファミリー、ほっこりしました。おはぎ、おいしそうだったなぁ。
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木を読む [物語詩]

ひまわり.jpg
木を読む

地面の根っこを想像し
だんだん上に向かって
木を読んでゆく

ときどき
ぱらぱらと風が葉っぱの
ページをめくり
かぶと虫やリスらが
ぱつん!と
ページをはさむしおりみたいに
木の幹や枝に休んでる

木は読めば読むほど
深く長く綴られた年輪の挿話
土風空雲雨雪鳥虫花とも
ともだちになって
自由に動き回るものたちのお話を
深呼吸のように聴き入り
新しい物語が古いものから順に
年輪に流れるように留まる

時折
君にもたれてすぅすぅ眠って
夢のなかでも木を読んで

陽と月がまわり季節はめぐり
じっとしているようで
長くて短い幻のようなとき
繰り返していても
ずいぶん違った日々を生きて

木を読む




※木みたいに背の高い大きなひまわり。
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声の欠片 [物語詩]

緑のなか.jpg
声の欠片

夕日が沈む頃
町の雑踏に混じって
ホッホー
フクロウの鳴き声が聞こえた

うとうと眠りの間に入り込んだ
夢の中の欠片だったかも知れない
ホッホー
のひと声が耳元に
いつまでも鳴り響き
森の奥にたたずむような
眠りに浸透する夢の切符を
胸ポケットにしまったような

緩やかに瞼が落ちてくる

鳥の影がカーテンを横切り
飛び去った

窓から聞こえる
電車飛行機や足音に目がさめ
閉め出された夢
やんわりと張り付いた悲しみを
蹴飛ばすように

現の日常へ
足を運んだ




タルトタタン.jpg





※最近気に入りの本:鉱物レシピ グラフィック社                                             ※最近観た絵画:京都市美術館のルーブル美術館展。空調が壊れマグリット展見れなかった~。                                       ※NHKのグレーテルのかまどで出てた京都のタルトタタン。
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マーメイド [物語詩]

大王崎灯台からみた海.jpg
マーメイド

マーメイドという名の画紙
まるで水彩の波を
泳いでいってしまいそうじゃないか

とぷん
人魚が水彩のなかを泳ぐ
じっと見つめていると
ちゃぷん
紙のなかに波紋を作って
消えていった

真っ白なマーメイド紙
水をたっぷり含ませ
にじんだ色彩を
海のように空のように
羽の生えた白雲のように

海の底の透明さで描いてゆく











灯台・船長・海賊.jpg





※最近読んだ本:100万分の1回のねこ 講談社 佐野洋子さんの100万回生きたねこのオマージュ本。13作家が書いてて読み応えあり。 ・もぞもぞしてよゴリラ ほんの豚ですが 佐野洋子 小学館  ・あこがれの兼高かおるさんの文庫も見つけてよみはじめ!                             ※地中海村のお土産屋さんに並んだ、灯台・船長・海賊の木彫りたち。
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庭に眠る [物語詩]

水生植物.jpg
庭に眠る

庭に眠る草木の秘密を
知りたくて
植物の探偵になる
あらゆる植物園
世界の図鑑
野良たちに聞き込みをし
どこの公園に何の草花が生え
庭の草木と同種類か

眠ってしまった庭を掘り起こし
時にはじっと
風の雨の鳥の土の声を聴く
とたんに
緑の風が空虚にあふれ
草の上をすべるように
しゃらしゃら息をしはじめる

風と草と空と緑の地平を
いっぺんに眺め深呼吸する
はっとした
植物とともに生きていること
嬉しくて深々胸が高鳴る

庭の探偵をやり終え家に帰ると
小さな心の庭一面に
淡い種を蒔いていた

裏庭に眠っていた花花が
明るい陽射しに照映え
笑顔の色彩で
いっぱいになる






※近畿大学水産研究所の海鮮丼、広い空間で美味しくいただきました。鯰鰻も早く食べたい。                                               ※水生植物が、北斗七星+α 左右逆、みたいな並びに見えて気にいってます。湿度の半端ない大学の植物園にて。
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夜のなか [物語詩]

赤い夕やけ.jpg
夜のなか

夜を携帯して歩く
すると
流星だの月だの
犬の遠吠えだのが
近づいてきて困る

夜のなかを泳ぎたいのだ
闇を蹴って
夢を模索したいのだ
夜は孤独をかみしめるのに
おあつらえ向きと思ったが
逆に夜はひとりでいるのが
つらいものが寄ってくる

夜をフランスパンのようにちぎって
みんなに分け与えているうちに
ほんとうの空が
しらじらと明けてきた

小さくなった夜をじっと見つめ…
ぱくっ!
口に入れごくんっと飲み込んだ

夜はしばらく遠ざかり
孤独と夢は宇宙の片隅

朝もやのなか
空の青を染み透らせると

いい匂いの青






※久しぶりにドラマのエキストラへ。猛暑!でしたが、俳優さんにニコッとされると、来てよかった!
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