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舟を漕ぐ [物語詩]

夜の舟.jpg
舟を漕ぐ

いつまでも眠らずに
ゆらゆらはためいて
起きていた
うつらうつらするけれど
眠りたくないのだ
夜を十分染みこませ
空虚に取り込みたいのだ

瞼の扉がだんだん閉じて
ゆうらりゆうらり
時の波が揺らいでまねき
夜の国へと舟を漕ぐ

空虚に希望の音が
かすかにぽちゃんと鳴り

夢の夢へと漕ぎ出(いだ)す





プラネタリウム.jpg








※夜って眠るのがもったいなくて、いつまでも起きていたいけど、明日の現実がまっているんだよね。せめて夢の中で…。                                                      ※木皿さんのドラマ、富士ファミリー、ほっこりしました。おはぎ、おいしそうだったなぁ。
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木を読む [物語詩]

ひまわり.jpg
木を読む

地面の根っこを想像し
だんだん上に向かって
木を読んでゆく

ときどき
ぱらぱらと風が葉っぱの
ページをめくり
かぶと虫やリスらが
ぱつん!と
ページをはさむしおりみたいに
木の幹や枝に休んでる

木は読めば読むほど
深く長く綴られた年輪の挿話
土風空雲雨雪鳥虫花とも
ともだちになって
自由に動き回るものたちのお話を
深呼吸のように聴き入り
新しい物語が古いものから順に
年輪に流れるように留まる

時折
君にもたれてすぅすぅ眠って
夢のなかでも木を読んで

陽と月がまわり季節はめぐり
じっとしているようで
長くて短い幻のようなとき
繰り返していても
ずいぶん違った日々を生きて

木を読む




※木みたいに背の高い大きなひまわり。
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声の欠片 [物語詩]

緑のなか.jpg
声の欠片

夕日が沈む頃
町の雑踏に混じって
ホッホー
フクロウの鳴き声が聞こえた

うとうと眠りの間に入り込んだ
夢の中の欠片だったかも知れない
ホッホー
のひと声が耳元に
いつまでも鳴り響き
森の奥にたたずむような
眠りに浸透する夢の切符を
胸ポケットにしまったような

緩やかに瞼が落ちてくる

鳥の影がカーテンを横切り
飛び去った

窓から聞こえる
電車飛行機や足音に目がさめ
閉め出された夢
やんわりと張り付いた悲しみを
蹴飛ばすように

現の日常へ
足を運んだ




タルトタタン.jpg





※最近気に入りの本:鉱物レシピ グラフィック社                                             ※最近観た絵画:京都市美術館のルーブル美術館展。空調が壊れマグリット展見れなかった~。                                       ※NHKのグレーテルのかまどで出てた京都のタルトタタン。
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マーメイド [物語詩]

大王崎灯台からみた海.jpg
マーメイド

マーメイドという名の画紙
まるで水彩の波を
泳いでいってしまいそうじゃないか

とぷん
人魚が水彩のなかを泳ぐ
じっと見つめていると
ちゃぷん
紙のなかに波紋を作って
消えていった

真っ白なマーメイド紙
水をたっぷり含ませ
にじんだ色彩を
海のように空のように
羽の生えた白雲のように

海の底の透明さで描いてゆく











灯台・船長・海賊.jpg





※最近読んだ本:100万分の1回のねこ 講談社 佐野洋子さんの100万回生きたねこのオマージュ本。13作家が書いてて読み応えあり。 ・もぞもぞしてよゴリラ ほんの豚ですが 佐野洋子 小学館  ・あこがれの兼高かおるさんの文庫も見つけてよみはじめ!                             ※地中海村のお土産屋さんに並んだ、灯台・船長・海賊の木彫りたち。
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庭に眠る [物語詩]

水生植物.jpg
庭に眠る

庭に眠る草木の秘密を
知りたくて
植物の探偵になる
あらゆる植物園
世界の図鑑
野良たちに聞き込みをし
どこの公園に何の草花が生え
庭の草木と同種類か

眠ってしまった庭を掘り起こし
時にはじっと
風の雨の鳥の土の声を聴く
とたんに
緑の風が空虚にあふれ
草の上をすべるように
しゃらしゃら息をしはじめる

風と草と空と緑の地平を
いっぺんに眺め深呼吸する
はっとした
植物とともに生きていること
嬉しくて深々胸が高鳴る

庭の探偵をやり終え家に帰ると
小さな心の庭一面に
淡い種を蒔いていた

裏庭に眠っていた花花が
明るい陽射しに照映え
笑顔の色彩で
いっぱいになる






※近畿大学水産研究所の海鮮丼、広い空間で美味しくいただきました。鯰鰻も早く食べたい。                                               ※水生植物が、北斗七星+α 左右逆、みたいな並びに見えて気にいってます。湿度の半端ない大学の植物園にて。
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夜のなか [物語詩]

赤い夕やけ.jpg
夜のなか

夜を携帯して歩く
すると
流星だの月だの
犬の遠吠えだのが
近づいてきて困る

夜のなかを泳ぎたいのだ
闇を蹴って
夢を模索したいのだ
夜は孤独をかみしめるのに
おあつらえ向きと思ったが
逆に夜はひとりでいるのが
つらいものが寄ってくる

夜をフランスパンのようにちぎって
みんなに分け与えているうちに
ほんとうの空が
しらじらと明けてきた

小さくなった夜をじっと見つめ…
ぱくっ!
口に入れごくんっと飲み込んだ

夜はしばらく遠ざかり
孤独と夢は宇宙の片隅

朝もやのなか
空の青を染み透らせると

いい匂いの青






※久しぶりにドラマのエキストラへ。猛暑!でしたが、俳優さんにニコッとされると、来てよかった!
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鏡の中の本棚 [物語詩]

水彩熊猫.jpg
鏡の中の本棚

本屋の片隅にある
鏡に映る本棚が風で揺れている

じっと眺めると
草葉が飛んできた

向こう側の本棚は森の中
動物たちが
ひょっこりひょっこりやってきて
本棚の本をえらび始めた
熊はハチミツ下がる木の図鑑
りすは旅するくるみ物語
穴ぐまはうとうと眠れる静かな絵本
ふくろうは森の謎々象形文字

いつまでも飽きない光景に
見とれてぽかぽか幻影にくるまれる

閉店間際
書店員が鏡の扉を閉め始める
本を迷うひとが
鏡に捕らわれてしまうので
これを
と手渡してくれるのが
むくむくの迷える子羊書
羊文字が夢の中に入り込み
家に帰って寝床に入った途端
いつのまにやら
ぐっすり眠りに落ちていく

朝目覚めると
すっかり忘れてしまった
何を?

(それは鏡の中の本棚)




のびねこちゃん.jpg
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朝食の色 [物語詩]

美術館の鹿.jpg
朝食の色

パンの香り!
こうばしいパンの匂いが
カバンの中から広がって
外まで溢れ出している

今朝の
焼きたてが
小さな幸せとなって
風にそよいでいく

クンクン
犬がいい香りです
と近づいてきた
どうですか散歩でも
さっと立ち上がり
二足歩行になった犬紳士
チョッキまで着こなし

近くの公園まで歩き
ベンチで朝食
犬紳士はハンケチをベンチに広げ
どうぞと本物の紳士みたい
朝食を分け合い
こうばしい朝になる

犬紳士はお礼にと犬語り
ワンワンワホワホ
なんだかおかしい
なんだろ懐かしい

朝のひととき
明るい陽射し色になる





※今日は突然、木皿泉さんの講演会へ。笑いの宝庫、とっても楽しかったのでした。8月2日21時にNHKラジオ第2で放送予定。おふたりともとてもあたたかで、ずっと聞いていたかった。思い出す度、ふふってなります。私もがんばろう。                                               ※写真は、山下清展と地球戦士ゼロス。山下さんの花火、花火が物凄く光って見えて素晴らしかった!ゼロスと一緒に写真撮ってもらいました。ヒーロー見たのはじめて。足が長くてすっごくかっこよかった。テレビでしてくれないかな。

山下清展.jpgゼロス.jpg
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大真面目なスープ [物語詩]

海と灯.jpg
大真面目なスープ

透き通った金色スープ
大真面目なウサギが作ってた
夜空の月が時々まるくなって
ウサギの作ったスープを飲みにくる

その夜は大真面目な満月になり
そこいらじゅうに光を投げかけるから
動物たちがにぎやかに
ウサギの作ったスープを飲みにくる

野菜と月の光がたっぷりの
大真面目なスープを飲むと
おいしくてみんなだまりこくって
大真面目な顔になるから
月とウサギは
顔を見合わせ
くふふって笑いあって

みんなの笑顔に
ごちそうさま





※最近読んだ本:悲しみの場所 大島真寿美 角川文庫 切ないけれど透明感のある話。                                  ※森ノ宮キューズモールのまちライブラリーへ。図書館カフェみたいで和めました。                          ※桟橋で釣りをしていた女子が、フグが釣れたー!と大喜び。見ず知らずの私に言うくらいうれしかったのね。ちっちゃくて可愛いフグ。すごいー!と私も一緒に喜んだのでした。
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綴られた記憶 [物語詩]

白チューリップ.jpg
綴られた記憶

物語を紡ぎ続けるうち
水草の短篇が匂ってきた

棚の隅に潜んでいた
古風なノートを開き
綴られた水草の短篇に
辿り着き読み進んでゆく

水分がなければ生きていけない話

一人歩きを始めた
けものの子どもみたいに
夢中になって耳を傾け
遠い場所から頁を繰ると
自然に涙が溢れていた

この大いなる想いを
小壜に詰め
残して置きたいが
心だけは立ち止まれない
さすらう思いを閉じこめて
ゆきすぎて行かないよう

記憶だけは密かに留めて






夕景車.jpg
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